夢はまぼろしだと言うけれど

一瞬だけ甘ったるくてふわふわなだけの世界を想像するときはいつも身体中がひどく甘くて痛くて泣きたくなる。コンビニのしけたシュークリームは好きだけど食べると頭が痛くなる。女の子だし、乙女だし、バカみたいだけどお姫様だから、いばらの中で世界一安らかな顔をして眠っていたいし、いばらをかきわけて魔女と戦うフィリップ王子にはなれない。

じゃあそういった王子様が迎えに来てくれれば万事解決!なわけがなくて、恋をしていることが問題なのだ。毎晩ホールニューワールドを聴くのはアラジンに会いたいわけでもジャスミンになりたいわけでもなくて、世界が見たいだけ。

フィリップ王子とオーロラ姫は最後に手を取り合ってダンスをしてやっとハッピーエンドめでたしめでたしで、ねえ出会ったときからダンスをする運命なのふたりは?と思ったけどそういえばふたりは出会った瞬間からダンスをしてた。おそらくわたしが人生で一番多く再生したVHSは眠れる森の美女で、今でも魔法でピンクとブルーが入れ替わるドレスの夢を見る。眠れない夜はオーロラ姫のまぶたにかかったキラキラの魔法を思い出せばいいし、素敵な夢くらいは見れそう。

死ぬのは全然楽しみじゃないし今はとても怖い。絶対まだ死にたくないし身近な人みんな誰も死んで欲しくない。でも夜になるととても不安になる。自分もみんなも今すぐどこかで死んじゃうんじゃないかって赤ちゃんみたいに眠るのが怖い。目が覚めてもまた会えるほど世界は甘くない。けれど誰かが眠るまであやしてくれるほど子どもじゃないし、オーロラ姫はなぜあんなに安らかに眠ることができたのか?ってそれは間違いなく夢を見ていたからだし、わたしも夢を見よう。

初めて買ったアイシャドウは、金色のクリームと銀色のパウダーがとてもきれいで、オーロラ姫のまぶたの魔法にそっくりなのでした。目立つようなものではないけれど、私はそれを塗るときとても幸せ。