my nasty love.

最安値のセンチメンタルで深夜のタクシーの車内は満タンで、プリウスより断然かたいシートに無理やり身をもたせかけていたら恋人のことを思い出した。今すぐキスがしたくて泣きそうだった。

 
たくさんの欠陥、と言うには切なすぎる気持ちのどうしようもなさが君そのものなんだと思うし、こっちからしたらそれさえ愛しいんだけど、そんなのどうやったら伝わるの。君はなんにも欠けてないはずなのに、だったらなんで疑問が浮かんでくるの。愛がわからないとか。
 
どんなに優しくてもハナからないものは埋めようがないし、それはお互いに気持ちをちゃんと感じ取っているからだろう。誰かと一緒にいることを選ぶって多分そういうものだ。70%の愛情には70%の優しさだし、100%の好きには100%の嫌悪が返ってくるかもしれない。
 
何も言わないかわりに全てを許すにはまだ若すぎる。
キティちゃんの日焼け止めクリームなんてさ、殴りたい。
 
快適さと愛は全然つながらないけど、苦痛と愛の親和性はスゴいとか思っちゃうのはマゾなのかなんなのか。
 
どうせならもっともっと苦しみたい。つらくなってからが本番でしょ。簡単にあきらめてしまえるほど生ぬるくはなかった。石畳に勢いよく転がるような恋をしたい。できなくても、それはそれで。